よーしあーきーと時々ラテとはろ&ちび

よーしあーきーと時々ラテとはろ&ちび

実体験 雑談

精神分裂病患者(統合失調症)の私が自身の入院経験を少し語りたいと思います。

更新日:

○精神科は今日も平常運転

先日、精神科病院に入院していた患者が、職員から暴行を受けている場面の動画が報道された。
千葉・病院精神科「暴行死」 父親が怒りの会見「虐待行為」
あまりにも、強烈な印象を受けたので、自分の入院環境はどうだったか。自分の入院生活をなんか振り返ってみたいと思います。
私は16歳の時に地元の精神科病院に入院しました。
精神分裂病を抱えていますので、当時は全員から指を差され笑われているといった被害妄想や、誰かに監視されているなどの妄想も激しく家から出られないでいました。
しかし、心の片隅にはこのままではいけないといった思いもあって、当時は通院をし薬物療法を受けていたのですが、入院を決断しました。
もちろん、未成年なので親に説明し医療保護入院の形で入院となりました。

○私の入院経験

私が入院した病棟は、空き病床の兼ね合いもあり緊急(救急?)病棟でした。
この病棟の特徴としては、純粋と言ったら語弊がありますが、純粋な精神疾患患者は少なく薬物中毒またはアルコール中毒による、二次的な精神疾患を抱えた方が多かったです。
これもまた誤解を招くかも知れませんが、ヤクザやチンピラ、ゴロツキが多かったです。
そしてもう一つの大きな特徴として、「完全閉鎖病棟」になります。
読んで字の如く、病棟の外に24時間無許可で出れません。
外出する際は、あらかじめ医師の承諾と、親などの付き添いが私の場合は必要でした。
日頃の買い物は、確か1日1回メモに欲しい物と個数を書いて看護師に渡し、看護師が病院内の売店で購入し配給するシステム。
ただ、売店に売っている品物がわかりませんので、周りの患者の欲しい物リストを見て、これは自分も欲しいと思った物を書いていました。
この様な、制限が設けられていましたので、一度誰かが外出,外泊になると全員分の美味しいお土産を買って帰って来るのが、慣例になっていた。
お土産にもらったハンバーガーがとにかく恐ろしく旨かった。貪り食いついていました。当時は、ハンバーガーが1個60円でしたので、全員分買っても安かった。
娯楽と言うと、持ち込んだラジカセと食堂兼談話室にあるテレビ1台。
昼間は、あまり関心がないのですが、夜のゴールデンタイムになるとチャンネル権の取り合いが始まります。
あの時は確か、ナースのお仕事が大人気で食い入るように見ていました。ただし、消灯の21時まで。
良心的な看護師が夜勤の時は、「もう少しだけ」と言ったら笑って許してくれていた記憶があります。
しかしながら、保護室は病棟内に存在し一日中と言っていいほど、ガン!ガン!ガン!と激しく扉を叩く音がしていました。
この保護室、とてもじゃないけど数人の患者と一緒に居れない様な超急性期の患者がダイレクトに入るか、病棟で暴れるなどの行為があった場合に入れられる。
朝起きたら知らない人が食堂に居てる事もありましたが、それは玄人には当たり前の光景で、まず「何日目や?」てのがご挨拶。
で、とにかく一日する事がない。
そうすると、鬱憤が溜まりに溜まって、ふとした瞬間に爆発します。
私としては、こちらの方が怖かった。
相手を殺す勢いで殴り合いが始まります。
そうなると、どこからともなく見た事のない屈強な看護師集団が一斉に湧きだして来て、仲裁に入りそのまま保護室へ。
保護室とは一体どんな作りなのか、4畳半か6畳程の四方をコンクリの壁に囲まれたスペースに剥き出しのトイレ。時計もない。
用を足しても時間にならないと流しに来ないそうで、汚物が残っている横で食事をしていたとの事です。
もっと悲惨なのが、自傷行為を防ぐ為に両手両足を鎖で壁に固定し、テープ式の紙おむつをされている方もいた。

○さて本題

今回、看護師の暴行が取り上げられました。
私は保護室にも入った事がありませんし、暴行も受けた事がありませんでした。
それは、私がとてもビビりだったからです。殴られるのは痛いし怖い。看護師も含め優しい人もいてるけど、基本目つきがヤバい人ばかり。
退院してから、同じ精神疾患の方に聞くと詰所(ナースステーション)に押し込まれ、数人から暴行を受けた事があると聞きました。それも多数の方から。
イレギュラー的に起こるのではなく、日常的に暴行,虐待は行われていたようです。
そうそう、この様な病院事件もありましたね。
「精神病院不祥事件が語る入院医療の背景と実態――大和川病院事件を通して考える」
大和川病院の事は同じ大阪府下なので、よく覚えています。

また、逆に医師が患者によって殺されるといった事もあります。
私の知っている精神科病院の中では、どの立場にいるすべて(の)人が自衛の事を真剣に取り組まなければならない様な環境でした。
しかしこの事も一昔前の20年弱前の事。
現在は、医学知識や科学、患者に対しての理解が進み、新しい治療の形も出てきています。
反面、ブログの冒頭の様な前時代的な事も、まだまだ続いている。新しいものに学ぼうという姿勢が欲しいですね。
電気ショック療法(これを医療と呼んでいいのか)も依然行っている医師も居ている様ですしね。
脳内の事ですので、人間が解明できるのはおそらくは当分先の未来の事でしょう。
ですが、現状でも恐怖や苦痛を和らげ、誰も傷付かない方法を模索し、根本的な解決には至らなくても少しずつ変えていかなくてなりません。

追記:精神科の看護師も医師も安定剤が欠かせないと聞きます。
みんな環境に耐えられなくなっている証拠でもありますね。
本当は、こんなひどい事をしたくないと、みんな心では思っているのだと私は思います。

※12/13()内追記

HP よーしあーきーと時々ラテとはろ&ちびhttp://yoshiaki-hp.sakura.ne.jp

ad

ad

-実体験, 雑談

Copyright© よーしあーきーと時々ラテとはろ&ちび , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.