介護を仕事として行うということ
介護というは、介護が必要な人の望む地域での生活を後押しすることなんですよね。
その方の土台を出来るだけ崩すことなく、後方からの支援。
決してその方の前に立ち指導したり、矯正することではないのだけど、この辺りに大きな勘違いを起こしやすい。人が自分の思い通りに動いてくれれば楽だからね。
家の中で二人っきりだったり、施設では専門職ばかりが集まり閉塞的だから、ドンドン周りも見えなくなっていく。
介護を必要とする側が、出勤の介護者に合わせるといった変な関係が出来上がってしまう。
それに加えて、「これは介護が必要なあなたの為を思って」だとか、「あれこれ提供してあげたら喜ぶだろう」と、いわゆる上からの目線での考え方も根強くある。
そんなに人に喜んでもらいたいなら、介護ではなくお金やプレゼントを贈れば100%,人を喜ばせることが出来ると思うよ。しかも、一時的になるだろうから継続的に贈ることだね。
介護っていうのは、直接相手を喜ばせるとかそんなもんではないですよね。
先ずは、その方の望む地域での生活が可能になって初めて、そういった感情が後から付いて来る。
こういった間違った感覚に陥るから、介護をやっていつまでも楽しみなんて見出だせないのだと思う。
そして、単なるご近所付き合いや家族の様な..なんかでもないのですよね。距離を詰め過ぎると、感情が先立ってしまい冷静な判断が出来なくなってしまいますから。
『自分がされたら嫌なことを他人にしない』
何度もこのブログでも記していますが、僕の場合は、とにかく『自分がされたら嫌なことを他人にしない』これが大前提。
○乱暴に身体を触れられる。
○ズケズケと偉そうに指図される。
○挨拶もない。訳もなく怒られる。無視される。
○目を見て話して貰えない。など。
これらは必ずと言っていい程、自分はされたくないはず。なぜかって、人付き合いでの基本中の基本だからなんだよね。ってことは、他人もされたら嫌な思いをするのは目に見えている。
業務が忙しいからとよく聞くけども、そういって扱いが悪くなっても、自分なら「まあいいか」と許せますか？
例えば、お腹を空かして入った飲食店で30分以上待たされた時、「忙しくて・・」と言われてみなさん納得出来ますか？店の忙しさなんて、客には関係ないのです。
そして、それが介護においては、日常生活で繰り返されるのです。
そう言っても本当に無理な時もあります。その時はどうすれば納得して待ってもらえるかを、考え説明をしなければならないでしょう。
介護職はオールラウンダー
介護というのは、人の地域生活を支援するのだから、生半可な知識や情報量では務まらない。「生活」全部ですから。
介護の技術的なものや法律、家政学は当たり前で、一部、栄養学や看護学、医学一般などと多岐に渡り。
さらに理学、工学などの知識もあれば、とても役に立つし、医療の提供は出来ないけども、さらに深く看護学、医学を知識として持っておいて損はない。
利用する方も多種多様な考え、趣味・嗜好を持っておられるので、もっと広い社会のことも会話に出てくる。
それらの会話にも付いて行くには、膨大な知識と情報を持っておかなくてはならない。
つまりは、人の地域生活を支援するということは、「職業人」(スぺシャリスト)ではなく「万能人」(オールラウンダー)でなくてはならないのだと僕は思います。
そして、ここに介護の楽しみがある。単に介護と考えるとやはり面白くないです。
常日頃から、広範囲に勉強をし、自身の見識を深めることが出来る訳です。仕事をしながら。仕事の為に。
他の仕事と比べて、これ程、楽しいやりがいのある仕事はそうないですよ。
脳性マヒの方なら哲学をよく話されますし、頸損の方や進行性難病の方ならパソコンについての話題が増えます。
それらを直接教えてもらい、そして自らも勉強し、話が噛み合った瞬間の達成感も、またひとしおです。
楽しみ方を身に付け、将来の為に
そして将来、長短の期間の差はあれど必ず利用することになります。自身が利用する時にも自分が行っていた介護を受けることになるのです。
嫌だと思いますよ。
自分の将来の為にも、一人ひとりが介護職への向き合い方を考え、みなさん一人ひとりで少しずつでも環境を、安心出来るように変えて行きませんか。
今日のアイドル達
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